広報誌「上野」Vol.0
6/12

これからの上野学園上野という地域との関わりQ.社会とのつながりも大事ですよね。す。部員が毎朝学校の周辺を掃除していて、それを地元の皆さんが見守り、生徒は地域の中で育てられるという要素が多分にあると思います。その良い例が、高校硬式野球部で声をかけてくださるという交流がずっな人間を育てたいという気持ちを、私たちはずっと持ち続けています。中高の音楽科では、大学・同短期大学部でも教鞭をとる先生の指導を受けることができます。また、「音楽大学」という恵まれた環境を活かして、中学全体で「ひとり一つの楽器」という取り組みを行っています。これは、音楽を専門としない生徒にも各自一つの楽器を選んでもらい、専門の先生から指導を受けるものです。この試みが、協調性や感受性を育む教育につながることを願って実施しています。高校の普通科の生徒にも、ホールで音楽会を聴いてもらう時間を設けています。せっかくある音楽教育の環境を学園全体に活かしたいと考えています。一方で例えば今回の高校硬式野球部躍進のエネルギー、その努力の積み重ねの姿勢は、音楽を学ぶ大学生、短大生にも大きな刺激になったのではないかと思います。と続いています。2007年の共学化後にできたのでまだ創部12年目ですが、2017年夏の全国高校野球選手権の東東京大会では、近隣の皆さまが試合のたびに応援に駆けつけてくださって、ベスト8まで勝ち進みました。地元の声援という大きな力をいただいたことに深く感謝しています。 「石橋メモリアルホール」も積極的に活用していきます。2010年に新ホ学」として、これまでの歴史と伝統を踏まえた、個性を育む丁寧な教育を心がけています。学生たちは、大学の4年間あるいは短大の2年間を通じて、ホールを試験などで利用している他、オーケストラや合奏の一員として、またソリストとして、このホールで開催される定期演奏会や演奏家コース協奏曲演奏会、ウィンド・アンサンブル、合唱定期演奏会などに参加しています。これまで数々の一流の演奏家が踏んできた同じ舞台でこのような経験ができることは、音楽を学ぶ学生にとって、この上なく貴重な体験を重ねる場になっていると思います。また、現在は工事中のため中断していますが、演奏家コースの学生たちには、上野公園内にある旧東京音楽学校奏楽堂での演奏会の機会を今後も継続するために、春夏秋冬それぞれの季節に学内での演奏会も実施しています。ールとして開館して以来、毎月1回水曜日のお昼休みを原則として、「ランチタイム・コンサート」を開催しています。この演奏会では、本学の学生や教員を中心に自ら企画した30分のプログラムを披露していますが、近隣で働くビジネスパーソンや地元住民の皆さまなど、多くの方々に楽しんでいただいております。2016年には初の試みとして、赤ちゃんと一緒に入場できるコンサートを企画し、近隣の保育園の先生とお母さんをご招待しました。「乳幼児お断り」が多い昨今の環境の中で、この企画は大変喜んでいただけましたので、今後も回数を増やしていきたいと考えています。大学と短大は、まさしく「音楽大    62014年8月学校法人上野学園理事・評議員就任。2016年6月同学園理事長就任。学校法人 上野学園理事長石橋香苗(いしばし・かなえ)

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る